令和3年度6月定例会・一般質問①コロナ禍における事業者支援について(支援金、はっち、マチニワ飲食イベント支援)

◆9番(久保百恵 君)令和3年6月定例会に当たり、このような発言の機会をいただけましたことに深く感謝申し上げ、自由民主・市民クラブの一員として、通告に従い市長並びに関係理事者の皆様に質問をさせていただきます。

 初めに、コロナ禍における事業者支援についてお伺いいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大から1年以上がたった今もなお、ウイルスの感染拡大はいまだ収束しておらず、様々な影響を与えております。現在も緊急事態宣言の再発令等の影響により、個人消費の低迷は続いており、連日の新型コロナウイルスに関する報道で、先行きが見えないこの状況に不安な日々を送られている事業者、市民の方は多くおられます。
 当市、当区域におきましては、緊急事態宣言の地域に該当することはなく、事業者等に対して休業要請をされることはありませんでしたが、市民の生活様式の変化による行動の制限、帰省の自粛、観光客の減少、お祭りやイベント、学会等の中止などといった様々な原因により、経済的な影響を今も受けている市内の事業者の方々がいらっしゃる中で、地域経済は、帰省の自粛により、お正月に続いて5月のゴールデンウイークも低迷したと聞いており、依然として厳しい状況にあると認識しております。
 緊急事態宣言対象区域の自治体では、休業要請に対する給付金、補助金等で支援されているようですが、当市におきましては、休業要請は出ておらずとも経済的な影響は出ており、多くの事業者の方々からも、以前のようなにぎわいがなく、今後も不安だという声を聞いております。
 そのような状況の中で、事業者の方々は様々な対応をされており、事業の再構築の準備から実際に実施されている方、営業時間や事業規模を縮小することで事業の継続をされている方、また、やむを得ず苦渋の決断で事業の撤退をされた方や、今後どうしていくべきか迷われていらっしゃる方など、事業者の方々は様々な課題を抱えておられます。
 当市では、これまで新型コロナウイルスに関する影響に対しての支援として、国内の感染動向を注視し、国や県の対応を踏まえながら、市独自でも様々な支援を実施されてこられたことと思いますが、地域経済はいまだ回復しておらず、感染拡大についても収束のめどが立っていない現状におきましても、当市の事業者の方々へ引き続き市独自の支援体制が必要であると強く感じております。
 そこで、(1)といたしまして、第3次八戸市新型コロナウイルス対策支援金の目的と内容についてお伺いいたします。
 次に、(2)といたしまして、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針についてお伺いいたします。
 八戸市の魅力である八戸三社大祭、八戸えんぶりをはじめ、飲食イベントなど、文化や食に関する行事は、新型コロナウイルスの影響で、2020年、2021年と中止や規模を縮小しての開催が相次いでおり、主催者の方、演者や関係者の方、参加者、お客さんと、多くの方が寂しく我慢をしている状況でございます。私も一八戸市民として、恒例行事がなく、毎年の楽しみがないことは大変寂しく感じております。
 お祭りやイベント等の中止や縮小による影響は、主催者や参加店舗等の関係者への直接的なものだけではなく、会場、交通機関、備品等の発注先の業者など、間接的な影響も出ていることが考えられます。
 また、食のまち八戸は八戸市の魅力の1つであり、市外、県外から観光客が例年訪れていた中で、お祭りやイベントが中止になるということは、多くの方に当市の魅力を知ってもらう機会が失われている状況であります。この状況において、当市のお祭りやイベントを支援することは、八戸市全体や中心街のにぎわいをつくるためにもとても大切なことだと思います。
 はっち、マチニワなどのイベント会場となる施設に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大に関して、現在も予断を許さない状況が続き、現時点での行動自粛や制限に関するルール等の緩和は難しいかと思いますが、新型コロナウイルスのワクチン接種により、今後少しずつ状況が変わってくることが予測されます。
 現在では、新型コロナウイルスのワクチン接種が順次実施され、当市におきましても、高齢者へのワクチン接種を開始いたしました。円滑なワクチン接種の実施、今後の準備が進められている中、ワクチン接種による新型コロナウイルス感染症対策によって、市民の方も行動の自粛や制限が徐々に緩和できることが予想されます。
 そして、ワクチンの普及等によって感染拡大が収まり、社会全体が感染症の収束に向かう回復期においては、地域経済再興のための施策の1つとして、お祭りやイベントに関する支援を行うことは、事業者の売上げ向上、観光の入り込み客の回復につながることであり、非常に重要だと考えております。コロナ対策と並行してアフターコロナ、ウィズコロナを見据えたはっち、マチニワの施設運営に大変期待しております。
 そこで、会場であるはっち、マチニワの今後に関して、アとして、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針の概要についてお伺いいたします。
 また、コロナ禍において、事業者は現在思うように飲食イベント等を開催できない状況にあります。当市の役割といたしましては、コロナ収束後には、活発にイベントを開催するための受入れ体制が重要だと考えますが、その点につきましてはどのようにお考えでしょうか。
 イとして、コロナ後を見据えた飲食イベント等の受入れ体制についてお伺いいたします。
 
 

 〔市長小林眞君登壇〕

◎久保百恵議員にお答えを申し上げます。
 まず、第3次八戸市新型コロナウイルス対策支援金の目的と内容についての御質問ですが、この支援金は、市独自の経済対策の1つとして、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済的に大きな影響を受けている事業者の事業継続を支援することを目的に給付するものであります。
 内容といたしましては、令和3年1月から4月までの期間のいずれかの月の売上げが、前年または前々年の同じ月と比較して30%以上減少していること等の要件に該当する事業者に対し、業種を問わず一律20万円を支給するものであり、7月31日まで申請を受け付けております。
 次に、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針の概要についてお答え申し上げます。
 八戸ポータルミュージアムは、本年2月で開館から10年を迎えたところであり、これまでの取組の成果を踏まえ、今後の事業や運営について、中期的な視点から方向性を定めることを目的に、3月に中期運営方針を策定いたしました。策定に当たっては、10名の外部有識者で構成するアドバイザリーボードから御意見をいただきながら、はっちの運営を通して目指す将来のまちの姿や、地域的な課題に取り組む文化施設の運営の在り方等について検討を重ねてまいりました。
 その結果、中期運営方針では、未来を創ろう2030――これまでの10年の先に紡ぐ新たな10年――と題し、目指す8つの未来像として、多様な活動とコミュニティーが息づく街や創造的なチャレンジに開かれた街、顔の見える経済を大切にする街などを掲げ、その実現に向けて市民の皆様と共に取り組んでいくことを運営のビジョンといたしました。
 また、ビジョンの実現に向け、新しいつながりやにぎわいを生み出し、暮らしを豊かにすることを当面の事業テーマに据え、様々なステークホルダーと協働による企画に取り組むことや、事業テーマに沿った市民活動を応援すること、創造と交流の拠点づくりを進めることなどを運営や事業の取組スタイルとしたところであります。
 今後は、この中期運営方針に基づき、運営や既存事業を見直し、新規事業の企画検討を進め、はっち開館以来のミッションである中心市街地の活性化、さらには八戸市全体の活性化に引き続き取り組んでまいります。
 次に、コロナ後を見据えた飲食イベント等の受入れ体制についてお答え申し上げます。
 はっちやマチニワでは、開館以来、地産地消をテーマとしたブイヤベースレストラン、八戸ワインフェス、日本全国地酒で乾杯や、中心街の飲食店等が主催する八戸バルフェスinマチニワなどの飲食イベントのほか、八戸圏域の農産物を販売する38FuudFoodMARCHEやクラフト市など、飲食や物販を伴う多彩なイベントが開催されてきました。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、コロナ禍において多くの人が集まるイベントは、昨年来、中止や縮小を余儀なくされております。これらのイベントは、来場者にとって飲食や物販を通して地域を知り、出店者との交流を楽しめる魅力的なイベントとなっており、まちのにぎわい創出や地域経済活性化の観点からも効果があるものと認識しております。
 また、はっちの中期運営方針におきましても、8つの未来像の1つに顔の見える経済を大切にする街を掲げ、つながりやにぎわいをテーマに、市民や事業者との協働企画や市民活動を応援する取組を展開していくことにしております。
 このことから、新型コロナウイルス感染症の収束後は、はっちやマチニワを会場に、多彩で魅力的なイベントが再開されるよう、主催者等の御意見も参考にしながら、利用しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
 以上でございます。
 〔市長小林眞君降壇〕


◆9番(久保百恵 君)御答弁ありがとうございます。
 第3次八戸市新型コロナウイルス対策支援金につきましては、業種を問わず、市独自の経済対策を事業者の方々に対して引き続き支援されるとのことで、事業者に寄り添った支援であり、引き続き収束まで支援していただくことを願っております。
 これまで事業者の方に対しましては、独自の現金給付事業、小規模事業者ビジネス環境改善等支援事業補助金、新生活様式対応商店街活性化支援事業補助金、雇用調整助成金申請費補助金、おんでやぁんせ八戸支援事業などと、様々な支援を実施されているかと思います。このような多様な支援をされることは、幅広い事業者の方々に行き届いた支援をすることができ、事業者の皆さんに寄り添った支援であると感じております。状況変化が厳しいコロナ禍では、事業者の課題も激しく変化し、状況に合わせた施策や支援を、今後も引き続きまして小林市長のリーダーシップの下、実施していただきますことをお願い申し上げます。
 また、事業者の方の中には、困っている状況で支援を受けたいが、煩雑な手続が苦手だという方もいらっしゃるようですので、そういった多忙な事業者の方々がなるべく滞りなく手続ができるような、そういったサポート体制の構築も併せてお願い申し上げます。
 そして、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針に関してです。新型コロナウイルスの感染拡大リスクがあるため、なかなか運営が難しい大変な現状にあるとは思いますが、その中でもできることからやっていくことが大切ではないかと思っております。御答弁にもありました未来を創ろう2030という題で、8つの目指す姿のビジョンを掲げ、新型コロナウイルスで暗くなる出来事が多い中、このようにビジョンを掲げ、未来をつくっていくことはとても大事なことであり、今まではっち、マチニワを活用されたことがある事業者の方や市民の方も前向きになれるのではないでしょうか。
 はっちが開館してからの10年間、新しい市民活動、文化創造の拠点、中心街再生のきっかけやシティープロモーションに貢献など、多くの実績もあり、この先10年もさらに八戸市に貢献する施設としてあり続けることを期待しております。そのためにも、この期間をただ過ごすのではなく、収束した後には再び八戸の魅力を取り戻し、むしろ感染拡大前以上のにぎわいを創出することを期待しております。
 はっち、マチニワを活用し、イベントを開催した方々からは、イベントを開催するときにどのような手順でどういう申請をすればいいのか、ガイドラインがあれば助かる、飲食イベントは、内容によって担当部署が違い申請先が異なるなど、分かりにくいことが多く手続が大変だった、もう少し事業者が活用しやすい援助があればありがたいなどといった声も上がっており、この期間を活用し、再度ガイドラインの見直しや利用者が使いやすくなるような施策、ユーザーから声が反映され、市民がより活用しやすい施設運営を御検討いただきますようお願い申し上げます。
 当市は、観光においても食のまち八戸として認知度は高く、例年、市外、県外から多くの観光客が来られております。お祭りや飲食イベントの中止は、市外、県外の方も、そして八戸市民も、風物詩がないと寂しく感じているのではないかと思います。八戸市の顔である中心市街地でにぎわいがあるお祭りやイベントがまた開催され、市民みんなが楽しみ、そして市外、県外からも多くのお客様が来られ、また八戸の魅力を知ってもらうにぎわいが戻ることに期待しております。
 飲食店舗の事業者の方は、再び活動が思い切ってできるようになったときには、イベントを企画していきたい、お祭りが再開したら、出店で参加したいと考えている方々もいるようです。また、事業者だけでなく、市民であるミュージシャンの方でしたり、ダンスなどパフォーマーの方々は、活動が制限されているため、活動機会が減っていることだと思います。そういった方々も再びパフォーマンスを披露できる場が増え、そのことによって皆さんが充実した潤いのある生活を送れ、より活気あるまちになることを願っております。
 今もなお新型コロナウイルスの感染拡大やその影響が収束していない状況でありますので、引き続きコロナ対策支援は継続して行っていただきつつも、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた施策やソフト面の強化による、事業者が活用しやすい環境づくりに対する取組も併せて行っていただけますよう要望させていただき、この項目を終わらせていただきます。


 

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