令和3年度6月定例会*一般質問②医療行政について(小慢児対策、小児・AYAがん対策)

次に、小児慢性特定疾病対策についてお伺いいたします。
 厚生労働省が掲げる小児慢性特定疾病対策には、小児慢性特定疾病にかかっている児童等について、健全育成の観点から、患児家庭の医療費の負担軽減を図るための医療費助成制度、そして慢性的な疾病を抱える児童及びその家族の負担軽減及び長期療養をしている児童の自立や成長支援について、地域の社会資源を活用するとともに、利用者の環境等に応じた支援を行う自立支援事業、この2つが主な対策事業とされている中で、当市におきましても、医療費の助成や日常生活用具の給付等が実施されておりますが、子どもの慢性疾患のうち、小児がんなど特定の疾患については、治療期間が長く、医療費負担が高額となることから、医療費助成制度は、患者、家族にとって負担軽減に大いにつながる一方で、慢性疾患を抱える児童の特性を踏まえた健全育成、社会参画の促進、地域関係者が一体となった自立支援の充実を掲げる自立支援事業については、取組状況やその支援の在り方等についての捉え方など、自治体によって格差があるのが現状です。
 小児のうちにかかり、慢性疾病を抱えた子どもたちに対する長期的なフォローが必要とされている中で、当市でも、慢性疾病を抱えるお子さんと御家族をサポートする八戸市小児慢性特定疾病児童等自立支援事業が行われておりますが、そこで質問させていただきます。
 (1)として、本事業のこれまでの取組、実施状況についてお伺いいたします。
 次に、(2)といたしまして、小児・AYA世代がん対策についてお伺いいたします。
 当市における小児・AYA世代のがん患者に対する支援体制の現状については、医療提供体制及び療養環境の充実、啓発活動、課題等について、昨年6月の一般質問の場で質問させていただき、私からも様々意見、要望等を述べさせていただきました。
 その際、2月15日の国際小児がんデーに合わせた啓発活動や、小児・AYA世代がん患者のニーズ調査については、その実施について検討するとの御答弁をいただき、その後、実際に実施していただけたとのことで、市担当課職員の皆様の迅速で柔軟な御対応には心から感謝しているところでございます。
 そこで、改めましてその内容等、小児・AYA世代がん対策といたしまして、支援体制の進捗状況についてお伺いいたします。
 アとして、啓発活動の内容と反応について、イとして、ニーズ調査の結果と課題について、お聞かせ願います。
 以上で壇上からの質問を終わります。
 〔9番久保百恵君降壇〕(拍手)

◎健康部長(佐々木勝弘 君)私からは、医療行政について、3点の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、八戸市小児慢性特定疾病児童等自立支援事業のこれまでの取組、実施状況についてでございますが、当該事業は、児童福祉法に基づき、16疾患群、762疾病を対象に、長期にわたり療養を必要とする児童等の自立促進を図るため、家族などからの相談に応じ、必要な情報提供や助言をすることを目的に、中核市移行後に実施してございます。
 具体には、専門資格を有する自立支援員が児童や家族等から自立に向けた相談を受け、必要に応じて関係機関との連絡調整を行ってございます。また、退院時に医療機関から送付される療育指導連絡票に基づき、家庭看護、食事、栄養及び歯科保健に関する保健指導を実施しております。令和2年度の実績は、窓口相談206件、電話相談18件、訪問指導1件、療育指導連絡票による指導2件、医療機関や福祉サービス事業所等の関係者による個別ケース会議が2件となってございます。
 さらに、疾病に関する専門的知識を深め、同じような悩みを抱える児童や家族の交流を目的とした講演会及び交流会を平成30年度から実施しております。平成30年度は親子4組14名、令和元年度は親子9組22名の参加があり、疾病も年齢も様々な児童同士が楽しく交流し、家族も自然に会話し、情報交換できるよい機会になっております。令和2年度は残念ながらコロナ禍により開催を見送りましたが、今年度は、今後の感染状況を見ながら、開催に向けて計画をしてまいりたいと考えております。
 次に、小児・AYA世代がん対策に係る啓発活動の内容と反応についてお答えを申し上げます。
 小児、思春期のがん患者や家族のために、小児がんへの意識を高め、支援の輪を広げることを目的に、2月15日を国際小児がんデーとして、小児がんへの理解と支援を呼びかける世界共通のシンボルマーク、ゴールドリボンの啓発活動が広く行われております。
 当市においても、令和3年2月8日から2月15日まで、初めて小児がんの普及啓発キャンペーンを実施したところであります。実施内容は、総合保健センター、市庁舎、こどもはっちにおいて、ポスターを掲示し、リーフレットの配布をしたほか、シンボルマークであるゴールドリボンをつけたツリーを設置し、さらに総合保健センターをゴールドにライトアップしたところでございます。キャンペーンにお越しいただいた方からは、小児がんの子どもたちのための支援を呼びかける活動があることを初めて知った、小児がんの子どもに思いを寄せ、関心を持つきっかけになったという声も聞かれ、多くの市民に小児がんを知ってもらういい機会になったと思っております。今後も、小児がんの子どもや家族が笑顔で安心して生活を送ることができるよう、普及啓発活動を継続してまいりたいと考えております。
 次に、ニーズ調査の結果と課題についてお答えを申し上げます。
 当市では、令和2年度に小児・AYA世代がん患者の現状を把握することを目的にニーズ調査を実施し、令和3年3月末に結果をまとめたところでございます。調査の対象者は、小児慢性特定疾病医療受給者のがん患者の方と、八戸市立市民病院、八戸赤十字病院、青森労災病院で治療している39歳までの市民の方約80名にアンケートをお願いしたところでございます。
 その結果、11名から回答があり、年齢は1歳から15歳で、経過観察で通院している方の回答がほとんどでございました。アンケートでは、家族間の交流の場が少ない、身近に専門医がいない、通院のための交通費等の経済的負担が大きいとの意見が多く、この3点が主な課題であると認識をしているところであります。
 一方、最近では、市内において、患者家族が主体となって交流会活動も始められており、同じ病気を持つ家族への支援につながるものと期待しているところでございます。
 今回のアンケートの回答数が少なかったこともあり、より多くの方の声を把握する必要があると考えており、今後は小児慢性特定疾病医療受給者証の申請時等を活用し、さらなる課題の把握に努めてまいります。
 以上でございます。

◆9番(久保百恵 君)詳細にわたっての御答弁ありがとうございました。
 八戸市小児慢性特定疾病児童等自立支援事業につきましては、相談支援事業をはじめ講演会や交流会の開催など、コロナ禍での課題も多々あるかとは思いますが、引き続いての取組と支援を今後ともよろしくお願いいたします。
 また、啓発活動とニーズ調査の実施につきましては、コロナ対策対応等、様々業務がある中で柔軟に御対応いただき、率先して取組を行ってくださいました担当課職員の皆様には、この場をお借りいたしまして改めて感謝申し上げます。
 今回、小児がん普及啓発を目的にキャンペーンを実施され、実際に市民の方からの反応も得られたとのことですが、今後もより多くの市民の方に知っていただく機会として、引き続いての取組に御期待申し上げます。
 そして、ニーズ調査の集計につきましては、当市で申請を受け、患児家庭を把握できている小児慢性特定疾病医療受給者の御家庭には直接アンケートを御自宅に郵送していただけた一方で、AYA世代となるがん患者につきましては、個人情報の問題でしたり、病院側との様々な兼ね合いなどもあり、今回調査対象に入れていただいてはおりましたが、当事者への直接的なニーズ調査御協力への働きかけは難しかったことだと思います。当市のAYA世代がん患者の実態を調べ、課題の把握に努めていくに当たり、今回、回答期限内にAYA世代の患者からの回答が得られなかったということは、今後の課題の1つでもあるのではないかと感じております。
 そして、実際に調査への回答をいただけた方々につきましては、現在経過観察で通院中の患児家庭がほとんどだったということからも、私の勝手な推察ではありますが、皆さんそれぞれが市外、あるいは県外の病院でお子さんの入院生活を支え、治療を終えて当市に戻り、やっと少し振り返る時間が持てるようになった親御さん方からの回答であったのではないかと思います。
 逆を言えば、今現在お子さんが入院中の御家庭におきましては、治療に専念しなければならない状況であったり、あるいは自宅になかなか戻れなくて、調査票を受け取れずにいるうちに回答期限が過ぎてしまっていたなど、何かしらの理由で回答が難しい状況下にある御家庭もあったのではないかと思います。
 今回の集計結果につきましては、対象者数からすると少ない回答数だったかもしれませんが、そのような中でも貴重な声が寄せられたこと、そして何より課題把握に努めようと、このようなニーズ調査を実施してくださった当市の真摯な姿勢は、患児家庭、AYA世代がん患者などに対する支援につながる大切な第一歩であると感じております。ぜひ引き続いての実態調査により、今回拾い切れなかった声が集まりますことを願っております。引き続き課題把握への取組等、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【再質問】
 ここで1点再質問させていただきたいのですが、当市には小児がん等の専門医がいないことから、県内であれば、弘前、青森、県外であれば、岩手、仙台など、治療を受けるためには、市外、あるいは県外の病院に行かなければなりません。そのため、お子さんの入院中はもちろん、治療や経過観察に係る定期的な通院時の交通費の負担は大きく、またそれだけではなく、付添いをしなければならない家族が泊まるための宿泊費などの負担等も様々あり、患児家庭の経済的負担は大きいものと感じております。
 実際に当市で今回実施いただいたニーズ調査でも、交通費等の経済的負担が大きいとの意見が多く寄せられたとのことですが、そこで、当市におきましての交通費等の費用助成についての現状と、併せて今後どのように考えていらっしゃるのかお伺いいたします。

◎健康部長(佐々木勝弘 君)それでは、久保百恵議員の再質問にお答えを申し上げます。
 通院時などの交通費等の費用助成についての御質問でございます。現在、当市におきましては助成は実施しておりませんが、相談があった際には、都内のNPO法人が実施している補助制度について情報提供をしております。この補助制度は、入院治療に係る交通費や宿泊費を助成するものでございますが、年齢や所得制限等の対象要件を満たさず利用できない方もいらっしゃるようでございます。また、県内の状況を見ますと、費用助成を実施している自治体はございませんが、全国的には、数が少ないながらも実施している自治体もございます。今後は、小児慢性特定疾病の方からの相談時に多くの意見を聞き、課題の把握に努めるとともに、助成している先進地の事例を研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。


◆9番(久保百恵 君)ありがとうございます。
 高額な医療費の助成はあるものの、患児家庭の経済的負担は大きいものです。交通費や宿泊費のほかにも、長期入院中であれば、その期間中の食費や日用品代、病院等の駐車料金代など、付添いに係る日々の細々とした出費も積もり積もれば大きな負担となります。患児であるお子さんに兄弟姉妹がいる場合には、その預け先や保育に係る費用負担であったり、補正具作製等の費用を負担しなければならない方など、医療費以外で多くの経済的負担を抱えている方々も実際にいらっしゃるようです。ただでさえ介護する側も精神的、身体的に重い状況の中で、交通費等の支援を含め患児家庭の負担がより少しでも軽減される環境整備や、助成制度が全国的に広がり、展開されていきますことを願っております。再質問への御答弁ありがとうございました。
 ここからはAYA世代のがん患者にも共通することなのですが、昨年6月の一般質問の際に、妊孕性温存療法に係る治療費の助成について少し触れさせていただきました。妊孕性とは妊娠するための力のことであり、女性にも男性にも関わることです。その妊孕性を温存することにより、将来子どもを産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者等が希望を持って目の前のがん治療に取り組めるようにと、独自にその温存療法にかかる治療費の一部を助成する制度を設けて、妊孕性温存に係る経済的支援を行う自治体は少しずつ増えてきてはいたものの、小児・AYA世代がん患者への妊孕性に関わる経済的負担に対する支援は、全国共通の課題であり、自治体ごとの補助の格差もあることから、国による支援が求められておりました。
 そのような中で、令和3年度、今年4月1日から国の事業として小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究事業が開始され、対象となる患者は、所得制限や居住区による区別なく、公的な助成が受けられるようになりました。申請先となる各都道府県では、医療機関との連携などの準備が整い次第、受付が開始されるとのことですが、聞くところによりますと、青森県におきましても、今年度中の事業スタートを目指し、現在、県の担当課職員の皆様が事業開始に向けての検討や様々調整を行っていらっしゃる最中のようです。
 事業主体はあくまでも都道府県ではありますが、この事業は若いがん患者たちが希望を持って病気と闘い、将来、子どもを持つことへの希望をつなぐ取組でありますので、青森県でも開始のめどが立った際には、当市といたしましても、県との連携を図りながら、当市の小児・AYA世代の若いがん患者などが円滑に事業参加できるように、情報提供や相談支援に努めていただきますようお願いいたします。
 国のがん対策については、平成30年9月に閣議決定されましたがん対策基本法及び同法の規定に基づくがん対策推進基本計画により、国は総合的かつ計画的に推進しており、全体目標としてがん患者を含めた国民ががんを知り、がんの克服を目指すが掲げられ、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生の3本の柱が設定されており、小児及びAYA世代のがん対策についても、がん医療の充実、がんとの共生の1つとして位置づけられております。また、厚生労働省健康局通知の小児がん拠点病院等の整備についてに基づき、全国で15の小児がん拠点病院が指定されるなど、治療後の長期フォローアップに対応する体制づくりも進められております。
 小児・AYA世代のがんは、乳幼児から思春期、若年成人世代までと幅広いライフステージで発症し、晩期合併症のため、治療後も長期的なフォローアップが必要とされています。また、年代によって、就学、就労、生殖機能等の状況が異なり、心理社会的状況も様々であり、個々の状況に応じた多様なニーズが存在しております。そういった背景がある中で、当市におかれましては、啓発活動やニーズ調査への取組を積極的に行ってくださいました。改めまして、そのことに深く感謝申し上げ、ぜひ今後とも当市の小児・AYA世代がん患者に寄り添った支援を行っていただきますことをよろしくお願い申し上げまして、私からの意見、要望に代えさせていただきます。


 以上で質問を終わります。

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令和3年度6月定例会・一般質問①コロナ禍における事業者支援について(支援金、はっち、マチニワ飲食イベント支援)

◆9番(久保百恵 君)令和3年6月定例会に当たり、このような発言の機会をいただけましたことに深く感謝申し上げ、自由民主・市民クラブの一員として、通告に従い市長並びに関係理事者の皆様に質問をさせていただきます。

 初めに、コロナ禍における事業者支援についてお伺いいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大から1年以上がたった今もなお、ウイルスの感染拡大はいまだ収束しておらず、様々な影響を与えております。現在も緊急事態宣言の再発令等の影響により、個人消費の低迷は続いており、連日の新型コロナウイルスに関する報道で、先行きが見えないこの状況に不安な日々を送られている事業者、市民の方は多くおられます。
 当市、当区域におきましては、緊急事態宣言の地域に該当することはなく、事業者等に対して休業要請をされることはありませんでしたが、市民の生活様式の変化による行動の制限、帰省の自粛、観光客の減少、お祭りやイベント、学会等の中止などといった様々な原因により、経済的な影響を今も受けている市内の事業者の方々がいらっしゃる中で、地域経済は、帰省の自粛により、お正月に続いて5月のゴールデンウイークも低迷したと聞いており、依然として厳しい状況にあると認識しております。
 緊急事態宣言対象区域の自治体では、休業要請に対する給付金、補助金等で支援されているようですが、当市におきましては、休業要請は出ておらずとも経済的な影響は出ており、多くの事業者の方々からも、以前のようなにぎわいがなく、今後も不安だという声を聞いております。
 そのような状況の中で、事業者の方々は様々な対応をされており、事業の再構築の準備から実際に実施されている方、営業時間や事業規模を縮小することで事業の継続をされている方、また、やむを得ず苦渋の決断で事業の撤退をされた方や、今後どうしていくべきか迷われていらっしゃる方など、事業者の方々は様々な課題を抱えておられます。
 当市では、これまで新型コロナウイルスに関する影響に対しての支援として、国内の感染動向を注視し、国や県の対応を踏まえながら、市独自でも様々な支援を実施されてこられたことと思いますが、地域経済はいまだ回復しておらず、感染拡大についても収束のめどが立っていない現状におきましても、当市の事業者の方々へ引き続き市独自の支援体制が必要であると強く感じております。
 そこで、(1)といたしまして、第3次八戸市新型コロナウイルス対策支援金の目的と内容についてお伺いいたします。
 次に、(2)といたしまして、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針についてお伺いいたします。
 八戸市の魅力である八戸三社大祭、八戸えんぶりをはじめ、飲食イベントなど、文化や食に関する行事は、新型コロナウイルスの影響で、2020年、2021年と中止や規模を縮小しての開催が相次いでおり、主催者の方、演者や関係者の方、参加者、お客さんと、多くの方が寂しく我慢をしている状況でございます。私も一八戸市民として、恒例行事がなく、毎年の楽しみがないことは大変寂しく感じております。
 お祭りやイベント等の中止や縮小による影響は、主催者や参加店舗等の関係者への直接的なものだけではなく、会場、交通機関、備品等の発注先の業者など、間接的な影響も出ていることが考えられます。
 また、食のまち八戸は八戸市の魅力の1つであり、市外、県外から観光客が例年訪れていた中で、お祭りやイベントが中止になるということは、多くの方に当市の魅力を知ってもらう機会が失われている状況であります。この状況において、当市のお祭りやイベントを支援することは、八戸市全体や中心街のにぎわいをつくるためにもとても大切なことだと思います。
 はっち、マチニワなどのイベント会場となる施設に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大に関して、現在も予断を許さない状況が続き、現時点での行動自粛や制限に関するルール等の緩和は難しいかと思いますが、新型コロナウイルスのワクチン接種により、今後少しずつ状況が変わってくることが予測されます。
 現在では、新型コロナウイルスのワクチン接種が順次実施され、当市におきましても、高齢者へのワクチン接種を開始いたしました。円滑なワクチン接種の実施、今後の準備が進められている中、ワクチン接種による新型コロナウイルス感染症対策によって、市民の方も行動の自粛や制限が徐々に緩和できることが予想されます。
 そして、ワクチンの普及等によって感染拡大が収まり、社会全体が感染症の収束に向かう回復期においては、地域経済再興のための施策の1つとして、お祭りやイベントに関する支援を行うことは、事業者の売上げ向上、観光の入り込み客の回復につながることであり、非常に重要だと考えております。コロナ対策と並行してアフターコロナ、ウィズコロナを見据えたはっち、マチニワの施設運営に大変期待しております。
 そこで、会場であるはっち、マチニワの今後に関して、アとして、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針の概要についてお伺いいたします。
 また、コロナ禍において、事業者は現在思うように飲食イベント等を開催できない状況にあります。当市の役割といたしましては、コロナ収束後には、活発にイベントを開催するための受入れ体制が重要だと考えますが、その点につきましてはどのようにお考えでしょうか。
 イとして、コロナ後を見据えた飲食イベント等の受入れ体制についてお伺いいたします。
 
 

 〔市長小林眞君登壇〕

◎久保百恵議員にお答えを申し上げます。
 まず、第3次八戸市新型コロナウイルス対策支援金の目的と内容についての御質問ですが、この支援金は、市独自の経済対策の1つとして、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済的に大きな影響を受けている事業者の事業継続を支援することを目的に給付するものであります。
 内容といたしましては、令和3年1月から4月までの期間のいずれかの月の売上げが、前年または前々年の同じ月と比較して30%以上減少していること等の要件に該当する事業者に対し、業種を問わず一律20万円を支給するものであり、7月31日まで申請を受け付けております。
 次に、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針の概要についてお答え申し上げます。
 八戸ポータルミュージアムは、本年2月で開館から10年を迎えたところであり、これまでの取組の成果を踏まえ、今後の事業や運営について、中期的な視点から方向性を定めることを目的に、3月に中期運営方針を策定いたしました。策定に当たっては、10名の外部有識者で構成するアドバイザリーボードから御意見をいただきながら、はっちの運営を通して目指す将来のまちの姿や、地域的な課題に取り組む文化施設の運営の在り方等について検討を重ねてまいりました。
 その結果、中期運営方針では、未来を創ろう2030――これまでの10年の先に紡ぐ新たな10年――と題し、目指す8つの未来像として、多様な活動とコミュニティーが息づく街や創造的なチャレンジに開かれた街、顔の見える経済を大切にする街などを掲げ、その実現に向けて市民の皆様と共に取り組んでいくことを運営のビジョンといたしました。
 また、ビジョンの実現に向け、新しいつながりやにぎわいを生み出し、暮らしを豊かにすることを当面の事業テーマに据え、様々なステークホルダーと協働による企画に取り組むことや、事業テーマに沿った市民活動を応援すること、創造と交流の拠点づくりを進めることなどを運営や事業の取組スタイルとしたところであります。
 今後は、この中期運営方針に基づき、運営や既存事業を見直し、新規事業の企画検討を進め、はっち開館以来のミッションである中心市街地の活性化、さらには八戸市全体の活性化に引き続き取り組んでまいります。
 次に、コロナ後を見据えた飲食イベント等の受入れ体制についてお答え申し上げます。
 はっちやマチニワでは、開館以来、地産地消をテーマとしたブイヤベースレストラン、八戸ワインフェス、日本全国地酒で乾杯や、中心街の飲食店等が主催する八戸バルフェスinマチニワなどの飲食イベントのほか、八戸圏域の農産物を販売する38FuudFoodMARCHEやクラフト市など、飲食や物販を伴う多彩なイベントが開催されてきました。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、コロナ禍において多くの人が集まるイベントは、昨年来、中止や縮小を余儀なくされております。これらのイベントは、来場者にとって飲食や物販を通して地域を知り、出店者との交流を楽しめる魅力的なイベントとなっており、まちのにぎわい創出や地域経済活性化の観点からも効果があるものと認識しております。
 また、はっちの中期運営方針におきましても、8つの未来像の1つに顔の見える経済を大切にする街を掲げ、つながりやにぎわいをテーマに、市民や事業者との協働企画や市民活動を応援する取組を展開していくことにしております。
 このことから、新型コロナウイルス感染症の収束後は、はっちやマチニワを会場に、多彩で魅力的なイベントが再開されるよう、主催者等の御意見も参考にしながら、利用しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
 以上でございます。
 〔市長小林眞君降壇〕


◆9番(久保百恵 君)御答弁ありがとうございます。
 第3次八戸市新型コロナウイルス対策支援金につきましては、業種を問わず、市独自の経済対策を事業者の方々に対して引き続き支援されるとのことで、事業者に寄り添った支援であり、引き続き収束まで支援していただくことを願っております。
 これまで事業者の方に対しましては、独自の現金給付事業、小規模事業者ビジネス環境改善等支援事業補助金、新生活様式対応商店街活性化支援事業補助金、雇用調整助成金申請費補助金、おんでやぁんせ八戸支援事業などと、様々な支援を実施されているかと思います。このような多様な支援をされることは、幅広い事業者の方々に行き届いた支援をすることができ、事業者の皆さんに寄り添った支援であると感じております。状況変化が厳しいコロナ禍では、事業者の課題も激しく変化し、状況に合わせた施策や支援を、今後も引き続きまして小林市長のリーダーシップの下、実施していただきますことをお願い申し上げます。
 また、事業者の方の中には、困っている状況で支援を受けたいが、煩雑な手続が苦手だという方もいらっしゃるようですので、そういった多忙な事業者の方々がなるべく滞りなく手続ができるような、そういったサポート体制の構築も併せてお願い申し上げます。
 そして、第3期八戸ポータルミュージアム中期運営方針に関してです。新型コロナウイルスの感染拡大リスクがあるため、なかなか運営が難しい大変な現状にあるとは思いますが、その中でもできることからやっていくことが大切ではないかと思っております。御答弁にもありました未来を創ろう2030という題で、8つの目指す姿のビジョンを掲げ、新型コロナウイルスで暗くなる出来事が多い中、このようにビジョンを掲げ、未来をつくっていくことはとても大事なことであり、今まではっち、マチニワを活用されたことがある事業者の方や市民の方も前向きになれるのではないでしょうか。
 はっちが開館してからの10年間、新しい市民活動、文化創造の拠点、中心街再生のきっかけやシティープロモーションに貢献など、多くの実績もあり、この先10年もさらに八戸市に貢献する施設としてあり続けることを期待しております。そのためにも、この期間をただ過ごすのではなく、収束した後には再び八戸の魅力を取り戻し、むしろ感染拡大前以上のにぎわいを創出することを期待しております。
 はっち、マチニワを活用し、イベントを開催した方々からは、イベントを開催するときにどのような手順でどういう申請をすればいいのか、ガイドラインがあれば助かる、飲食イベントは、内容によって担当部署が違い申請先が異なるなど、分かりにくいことが多く手続が大変だった、もう少し事業者が活用しやすい援助があればありがたいなどといった声も上がっており、この期間を活用し、再度ガイドラインの見直しや利用者が使いやすくなるような施策、ユーザーから声が反映され、市民がより活用しやすい施設運営を御検討いただきますようお願い申し上げます。
 当市は、観光においても食のまち八戸として認知度は高く、例年、市外、県外から多くの観光客が来られております。お祭りや飲食イベントの中止は、市外、県外の方も、そして八戸市民も、風物詩がないと寂しく感じているのではないかと思います。八戸市の顔である中心市街地でにぎわいがあるお祭りやイベントがまた開催され、市民みんなが楽しみ、そして市外、県外からも多くのお客様が来られ、また八戸の魅力を知ってもらうにぎわいが戻ることに期待しております。
 飲食店舗の事業者の方は、再び活動が思い切ってできるようになったときには、イベントを企画していきたい、お祭りが再開したら、出店で参加したいと考えている方々もいるようです。また、事業者だけでなく、市民であるミュージシャンの方でしたり、ダンスなどパフォーマーの方々は、活動が制限されているため、活動機会が減っていることだと思います。そういった方々も再びパフォーマンスを披露できる場が増え、そのことによって皆さんが充実した潤いのある生活を送れ、より活気あるまちになることを願っております。
 今もなお新型コロナウイルスの感染拡大やその影響が収束していない状況でありますので、引き続きコロナ対策支援は継続して行っていただきつつも、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた施策やソフト面の強化による、事業者が活用しやすい環境づくりに対する取組も併せて行っていただけますよう要望させていただき、この項目を終わらせていただきます。