2016/09/28
平成28年9月定例会*決算会派代表意見総括
◆1番(久保百恵 君)自由民主・市民クラブを代表し、意見を申し上げます。
このたび決算特別委員会に付託されました認定第1号平成27年度八戸市一般会計及び各特別会計決算の認定について、認定第2号平成27年度八戸市公営企業会計決算の認定について賛成いたします。
さて、平成27年度の経済状況ですが、アメリカ、中国の景気失速の影響から世界経済は成長が鈍化し、全体の不透明化により、さまざまな経済的リスクを抱える状況でありました。日本国内においても、その世界経済状況の影響を受け、アメリカの利上げ、金融政策正常化に伴う金融市場の反応、債務問題の深刻化から中国の景気が大幅に鈍化するリスク、イギリスのEU離脱に伴う金融市場の混乱など、世界の金融リスクにより足踏みせざるを得ない状況もある中で、政府は急速な景気回復を図るべくさまざまな施策を打ち出した結果、日本の景気推移としては徐々に向上し、数値を伸ばしてきております。
景気向上の理由はさまざまではありますが、注目される項目の一つとしての訪日外国人者数は過去最高数値を更新し、この数値は平成27年度以降も向上することが見込まれていることなどからも、日本経済は今後も緩やかな景気回復を維持する見通しであります。
このような状況の中、当市の平成27年度一般会計における歳入歳出の決算状況によりますと、歳入では前年度比6.5%増となる1018億2151万5000円、歳出では前年度比6.3%増となる983億8906万3000円、歳入歳出差し引き残額は34億3245万2000円となり、翌年度への繰り越し財源額12億218万8000円を差し引いた実質収支額は22億3026万4000円の黒字決算となりました。
また、特別会計決算額につきましては、歳入では前年度比7.4%増となる682億581万3000円、歳出では前年度比7.2%増となる666億9792万6000円、歳入歳出差し引き残額は15億788万7000円となり、翌年度へ繰り越すべき財源2億7006万5000円を差し引いた実質収支額は合わせて12億3782万2000円の黒字を計上し、一般会計、特別会計の実質収支額は合わせて34億6808万6000円の黒字であります。
平成27年度の通常収支分における歳入においては、一般財源総額について前年度を上回る水準を確保することができ、歳出においては、合併特例債を充当しての地域振興基金の創設、平成26年度より引き続き実施した市独自の事業、また、平成27年度からは子育て支援策などの予算を計上し、また、学校教育の充実策、中心市街地の活性化策など、各施策推進に取り組まれ、市勢のさらなる発展を図っておられる市長の市政運営を評価いたします。
また、経常的経費の削減を図りつつも、市民サービスの向上に努めるなど、市長並びに市職員の皆様の日々の働きに感謝いたします。
あわせて、今後とも市民のために御尽力いただき、当市のさらなる飛躍、八戸新時代に向けて着実に歩みを進めていかれますよう御期待申し上げます。
なお、本決算特別委員会におきまして、我が会派各委員からありました意見、要望は次のとおりです。当市における国際交流活動のますますの推進、利用者の満足度を最優先したメールマガジン配信事業のさらなる活性化、当市においての八戸型防災タイムラインの策定、夜間における避難訓練実施への協力支援及びマニュアル作成、急傾斜地の崩壊対策における危険地域の現状把握と整備対策の強化、学校司書のさらなる拡充、教育特別支援アシスタントの時間延長のための予算措置、学習用タブレットの効果的活用とネットワーク環境の整備強化、観光面における当市への体験型修学旅行誘致による魅力発信、並びに、教育、観光、両面からの修学旅行に関する観光教育会議なる相互連携への取り組み、以上につきまして、ぜひとも御検討いただき、今後の施策に反映していただけますようにお願い申し上げ、要望といたします。
次に、八戸市自動車運送事業会計について意見、要望を述べます。
平成21年度から市営バス事業における経営健全化、資金不足等の解消に取り組まれてきた結果、本年度の決算において累積欠損金の全額解消を果たされましたこと、また、経営状況の健全度を示す資金不足比率は本年度を含めて3年連続で0.0%を維持し、利用者の利便性向上への見直しや取り組みにおいても引き続き努めてこられましたことに高く評価いたします。
少子化による通学者数の減少などにより、今後も経営環境は厳しさが続くと思われますが、引き続き持続可能な経営を維持しながら、市民生活を支える公共交通機関として、より一層のサービス向上を図り、お子様からお年寄りまで幅広く市民全体に愛される市営バス運営に御尽力いただけますことを願い、要望といたします。
次に、八戸市立市民病院事業会計についてであります。
地域の中核病院として、住民の命と健康のため、幅広い医療を提供しておられる市民病院ですが、平成27年6月には、地域医療への長年の貢献と安定した経営状況が認められ、自治体立優良病院として表彰を受けられたことに敬意を表します。また、平成27年度においては、病院機能の強化、充実に加え、利用者側の利便性向上への取り組みにも努められたほか、職員が働きながら安心して子育てできる職場環境として、院内保育いちょうの樹開園など、病院機能、利用者、医療従事者の各面において配慮した対応をし、より質の高い中核病院としての環境整備に努められたことを高く評価いたします。
このような取り組みにより医師や医療技術者の人材が維持、確保され、安定した安心できる医療を今後ますます地域住民に提供いただけますよう切に願っております。
経営環境に関しましては、7期連続の黒字決算を維持する中、公立病院としてのさまざまな課題があり、今後も厳しい状況は続くことが見込まれております。市民病院の役割はますます重要になることが考えられていることからも、より一層の経営効率化を図りながら、引き続き地域医療の質の向上に真摯に努めていかれますことを要望いたしまして、自由民主・市民クラブを代表しての意見とさせていただきます。