2016/06/10
平成28年6月定例会久保ももえ一般質問
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自由民主・市民クラブ |
1 八戸ワイン産業創出プロジェクトについて |
(1) プロジェクトのこれまでの実施状況について |
2 移住促進について |
(1) 移住促進に向けた当市及び八戸圏域のこれまでの取り組み状況について |
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3 ふるさと意識の醸成について |
(1) 観光分野での取り組みについて
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【壇上質問】
◆1番(久保百恵 君)平成28年6月定例会に当たり、自由民主・市民クラブの一員として、市長並びに関係理事者の皆様に質問をさせていただきます。
昨年から八戸市議会議員として働かせていただけるようになり1年がたちました。1年たった今でもわからないことがたくさんあり、特に議会の場ではそんな自分が情けなく感じてしまうことも多々あります。ですが、そんな私へも期待を込めて応援してくださっている支援者の皆様の存在が大きな原動力となっております。2年目も初心を貫き、たくさん恥もかきながら一生懸命働かせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入らせていただきます。
最初に、八戸ワイン産業創出プロジェクトについてお伺いいたします。
八戸でワイン産業を創出するというお話を初めて伺ったとき、私はまだ議員になる前でしたが、大好きな八戸の魅力のさらなる向上に貢献し得る大きなプロジェクトになるのではないかと、とても楽しみに感じておりました。
私ごとではございますが、ことし4月に、八戸ワインフェス2016実行委員会の皆様、そしてその御家族の皆様方とともに、ネッビオーロ、バルベーラ、トレッビアーノという、イタリアなどで栽培されているワイン用ブドウ品種の植えつけのため、南郷地区の高長根ワイン用ブドウ園に行ってまいりました。お子様から大人の方まで、集まった若い力を結集しての約100本のワイン用ブドウの植えつけに参加させていただきました。私は初めての体験でしたが、ワイン用ブドウの植えつけ手順などを学ばせていただき、また、このプロジェクトに思いを寄せる皆様と御一緒し、貴重な経験をさせていただきました。このような有意義な機会に恵まれたことに感謝しております。
快晴の天気の中、南郷地区の高長根ワイン用ブドウ園では、平成26年度に植えつけされたマスカットベリーA、平成27年度に植えつけされたヤマ・ソーヴィニヨン、ブラッククイーンという品種が順調に育っており、平成26年度に植えつけされたマスカットベリーAについては、少量ながら、ことしの秋には初めての収穫を行う予定であるとワイン用ブドウ園園主の方から御説明をいただきました。
ワイン産業の創出は、農業振興だけではなく、八戸の食との組み合わせ、マリアージュによる飲食産業の活性化や観光資源としての活用による観光産業の活性化にも貢献し、それらにより、地域経済の活性化、そして雇用の創出にも貢献するものと期待をしております。そして、ワイン産業の創出により、ワインが若い世代を八戸に引きつけるための魅力の一つへとなり得ると思います。
そこで御質問いたします。
第1点目として、プロジェクトのこれまでの実施状況についてお伺いいたします。
また、ワインの生産を安定させるには非常に長い年月を要すると伺っており、持続的なワイン産業の振興のためには、特に若い世代へのさまざまなアプローチによる今後の取り組みがより重要になると理解しております。ワインの生産者やソムリエにも若い世代のパワーを必要といたしますし、ワインをたしなむ文化を若い世代に定着させる必要もあると思います。
そこで、第2点目として、今年度の取り組みと若い世代への対応も含めた今後の展開についてお伺いいたします。
さらに、現在当市では、総務省の制度を利用して、昨年度から地域おこし協力隊員を委嘱しており、その活動内容は、八戸ワイン産業創出プロジェクトに関連する業務及び南郷地区の地域おこし支援と伺っております。この地域おこし協力隊制度については、地域おこしだけではなく、若い世代の定住に向けた取り組みとしてもとても有意義だと理解しております。
そこで、第3点目として、地域おこし協力隊の活動状況についてお伺いいたします。
続いて、移住促進についてお伺いいたします。
現在、日本の国づくりは、東京への一極集中に歯どめをかけるとともに、地方の創生を図り、地方から大都市への人の流れを変える時代の転換期を迎えております。少子高齢化、人口減少が大きな問題となっている中、国勢調査による当市の人口は、平成7年の24万9358人をピークに人口減少が続いており、平成22年には23万7615人へ、そして、先日の地元新聞社の記事で拝読させていただいたのですが、青森県統計分析課のまとめによりますと、5月1日現在の当市の推計人口が23万人を割り込んで22万9994人となり、人口流出や少子高齢化に歯どめがかからない状況だと掲載されておりました。
全国的に人口減少が進んでいく中、特に地方では多くの自治体が人口流出問題に直面し、国の総合戦略のもと、地域の魅力を発信するなどして人口流出に歯どめをかけるための施策が展開されております。その取り組みの一つとして、さまざまな自治体が積極的な移住促進、移住支援に取り組み、移住者を迎え入れることで活力ある地域づくりを目指し、地域の活性化へとつなげようと取り組んでおられます。
そこで御質問いたします。
当市及び八戸圏域内の各市町村におきましても、都市部への人口流出等により人口減少が加速し、地域活力の低下が顕在化してきていることから、地元住民と圏域内外の住民との交流や、移住促進を通じた地域の活性化が求められていると伺っております。
そこで、第1点目として、移住促進に向けた当市及び八戸圏域のこれまでの取り組み状況についてお伺いいたします。
また、移住施策は単なる人口増やにぎわいの創出だけではなく、地域住民へも新たな気づきや刺激をもたらし、さらには、地域にない知識や発想、スキルやネットワークなどを持つ新たな担い手の創出につながる可能性も秘めており、移住促進に向けた取り組みに力を注いでいかれることはとても重要なことだと感じております。
そこで、第2点目として、今後の移住促進に向けた取り組みの方向性についてお伺いいたします。
最後に、ふるさと意識の醸成についてお伺いいたします。
新たに今年度から市政運営の基本となる計画が記された第6次八戸市総合計画が策定されました。本計画の将来都市像として、ひと・産業・文化が輝く北の創造都市と掲げ、その実現に向けては、市職員の皆様を初め、市民の皆様方と一緒に手をとり合いながら、一人一人の力を結集し、八戸新時代にふさわしいまちづくりを進めていかれることと存じております。
まちづくりや地域づくりを進めていく上でまず大切なのは、人づくりだと言われております。外への魅力発信も大事ですが、まずは八戸に住んでいる市民の皆様一人一人が、さまざまな角度や視点から私たちが住んでいるふるさと八戸市について知ることはとても重要なことだと感じております。特に若い世代になればなるほど、自発的にふだんから八戸について意識を向けるということは、なかなかないのではないでしようか。市民の皆様が八戸の今を知ることで、八戸を大切に思う気持ちがさらに育まれたり、コミュニティの活性化にもつながると思います。
当市ではもちろん、そういったことも含めて、市民の皆様と手をとり合っての市政運営など、積極的な取り組みもさまざま行われておりますが、市政運営やまちづくりにかかわる若い世代の参加率として見ますと、まだまだ少ないのが現状だと感じております。
若い世代を初め、市民の皆様が、八戸についてもっと知りたいという気持ちを持っていただけるようなきっかけづくりを、行政としても後押ししていくことが、八戸新時代を築き上げていくに当たっての将来の八戸のためにも大切なことだと思います。
そこで質問いたします。
第1点目として、観光分野での取り組みについてお伺いいたします。
ふるさと八戸を知るということに関する取り組みとしては、八戸の歴史、文化、自然などの基本的な知識について学び、ふるさと八戸の魅力を再発見することのできる八戸観光コンベンション協会主催の八戸ふるさと検定事業等がありますが、ほかにも当市において市民の皆様がふるさと八戸について知ることができる事業や取り組みがございましたらお聞かせください。
続いて、第2点目として、教育分野での取り組みについてお伺いいたします。
市内小学校では、子どもさんたち一人一人のふるさとに対する意識を醸成するために、各教科での授業はもちろん、生活科や総合的な学習の時間を活用して、体験活動や探求的な学習に取り組まれているということは理解しております。また、小学校3、4年生の社会科の学習におかれましては、八戸市小学校社会科教育研究会の皆様が作成された副読本・私たちのふるさとを活用しながら、八戸市の産業、文化等についての学習や郷土の発展に貢献した先人について学習を進めるなど、地域教材を効果的に活用した取り組みも進められており、私も先日改めて読ませていただいたのですが、子どもたちがみずから調べ、考えたりできるような工夫もたくさんされており、子どもたちが自分たちの住む地域について興味を持って学習ができるようなすばらしい副読本だと感じております。
このような取り組みが今後もさらに充実されることによって、子どもたち一人一人が郷土である八戸市を生涯にわたってこよなく愛し、誇りに思う心が醸成され、八戸市のさらなる活性化にもつながるものと期待しております。
そこで、ふるさと意識の醸成についての教育分野での取り組みとして、昨年度から市教育委員会が、市内や三戸郡及びおいらせ町の文化、スポーツ等の公共施設を活用して実施されている、広域的体験学習支援事業の目的と取り組み状況についてお伺いいたします。
また、昨年度の活用状況も含め、こちらの支援事業の成果と今後の見通しについてお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。
〔1番久保百恵君降壇〕(拍手)
【答弁】
◎市長(小林眞 君)久保議員にお答え申し上げます。
まず、八戸ワイン産業創出プロジェクトのこれまでの実施状況についての御質問ですが、国内のたばこ需要減少により、南郷地区の農業経営を支えておりました葉たばこの生産縮減に対応していくため、市では、平成26年5月に八戸市南郷新規作物研究会議を創設し、その検討の結果、代替作物として南郷地区の気候と土壌への適応性の高いワイン用ブドウ等を選定いたしました。
ワイン用ブドウにつきましては、当市における生産実績がなかったことから、総務省の機能連携広域経営推進調査事業等を活用し、平成26年度から南郷地区内の農業経営者に生産調査を委託しており、これまでにメルロー、ピノノワール、ケルナー、リースリング等計18品種、2200本のワイン用ブドウの苗木の植えつけを行い、昨年度から病害虫調査等を開始いたしました。
また、北海道余市町のオチガビワイナリー等の国内ワイナリーのオーナー等を講師とするワイン用ブドウやワインの生産技術に関するセミナーを開催するとともに、ワインの持つ魅力の発信とワインをたしなむ文化の定着を目的とするセミナーについても、2013年世界最優秀ソムリエのパオロ・バッソ氏等の著名な国内外のソムリエをお招きし、開催しております。
次に、今年度の取り組みと若い世代への対応も含めた今後の展開についてお答え申し上げます。
まず、今年度の取り組みについての御質問ですが、平成26年度に生産調査を委託したワイン用ブドウの品種の一部において、ことしの秋から収穫を予定しているものがあり、その果実収量、糖度及び酸度に関する調査を開始するとともに、品種の絞り込みにつきましても検討を始めることとしております。
また、ワイン用ブドウの生産量の確保を目的に、南郷地区の農業経営者がワイン用ブドウ苗木を購入するための経費の2分の1以内の額を補助する、八戸市ワイン産業創出支援事業を今年度創設しており、来月から事業実施者を公募することとしております。
さらに、引き続きワインの生産や魅力の発信等に関連するセミナーを開催することとしており、先日も、マスターソムリエの髙野豊氏を講師とする八戸ワイン産業創出セミナーを開催したところであります。
次に、若い世代への対応も含めた今後の展開についての御質問ですが、市内の若い世代のソムリエ等が力を結集して先月開催した八戸ワインフェス等、ワインの持つ魅力を若い世代等に対して発信する取り組みに対して引き続き支援するとともに、国の構造改革特区制度の活用等、ワインの生産に向けた支援についても検討することとしております。
また、平成27年10月には、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づく果実酒等の製法品質表示基準が制定され、国内で収穫されたブドウのみを使用し、国内で生産されたワインを日本ワインと表示できるようにルールを定め、平成30年10月から適用を開始することとしており、このルールを活用したブランド化に向けた取り組みついても進めてまいります。
ワイン産業につきましては、ブドウの栽培、そしてワインの醸造、運搬及び販売、さらには八戸の食との組み合わせによる食産業の振興にもつながる等裾野が広く、地域経済の活性化や雇用の創出に資するものであると理解しており、引き続き当プロジェクトの推進に努めてまいります。
次に、地域おこし協力隊の活動状況についてお答え申し上げます。
地域おこし協力隊の制度につきましては、地方自治体が首都圏等から移住者を受け入れ、地域おこし協力隊として委嘱し、地域活動に従事してもらいながら定住を図る取り組みに対して国がその費用負担を行うものであり、当市では、八戸ワイン産業創出プロジェクトの推進及び南郷地区の地域おこし支援を目的に平成27年度から制度を活用し、地域おこし協力隊を委嘱しております。
地域おこし協力隊の募集につきましては、若い世代の定住を促進するため、45歳以下の年齢制限を設けて行っており、現在、首都圏からのUターン移住者1名が南郷地区の農業経営者の生産や地域おこしに関するイベントの支援を行っております。
また、7月からはさらに1名を委嘱することにしており、今年度中に計4名の委嘱を予定しております。
地域おこし協力隊の委嘱につきましては、八戸ワイン産業創出プロジェクトの推進及び地域おこし支援だけではなく、若い世代の定住による地域活力の向上にもつながるものと理解しており、引き続き推進してまいります。
私からは以上でございます。
〔市長小林眞君降壇〕
◎副市長(大平透 君)続きまして、移住促進に向けた当市及び八戸圏域のこれまでの取り組み状況についてお答え申し上げます。
我が国では、世界に先駆け、人口減少、超高齢社会に突入し、特に若い世代の地方圏から東京圏への人口流出が続いていることから、地方における社会経済の活力の低下が危惧されております。一方、平成26年度に内閣官房が実施した、東京在住者の今後の移住に関する意向調査によりますと、30代以下の若い世代において男女とも移住に関する意識が高く、今後、東京から移住する予定、または移住を検討したいと回答した人の割合は46.7%に上っております。
このような状況のもと、当市では昨年10月に、八戸市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、今後取り組むべき政策の一つとして、新しい人の流れをつくるという基本目標を掲げ、東京圏等からの移住や人材の還流を図るためのUIJターンの促進、移住関連情報の整備や相談体制の充実に取り組んでおります。
その主な事業でありますが、まず、UIJターン希望者の円滑な就職と地元企業の人材確保を支援するため、これまでUIJターン求人の状況調査及び登録者への情報提供、企業からの求人リクエストの受け付け、提供を行う、人材還流促進事業を実施してきており、昨年1月には求人側と求職側の情報交換の場となる情報交流ウエブサイトを新たに開設し、UIJターン就職希望者と企業が求める人材とのマッチングの強化に努めております。
また、移住関連情報の整備につきましては、昨年3月に総務省が開設した移住ポータルサイト、全国移住ナビを活用し、当市への移住促進を図るためのプロモーション動画の配信を初め、不動産情報や求人情報、観光情報などを掲載し、地域情報の発信を行っております。
さらに、首都圏に在住する移住希望者へ直接的に働きかけるため、本年2月に当市としては初めてとなる、移住セミナーを青森県と共同で開催し、首都圏における情報発信と相談体制の充実、強化に取り組んだところであります。このセミナーには15組21人の御参加をいただき、セミナー終了後も県の移住・交流相談員が継続的に相談対応したことなどにより、移住者としては県内最多となる3組7人の皆様が当市への移住を決定されております。
八戸圏域のこれまでの取り組み状況についてでありますが、昨年12月には、圏域へ移住された方々へのインタビュー記事や圏域8市町村の地域情報等を掲載し、都市機能を備えながらもほどよい田舎暮らしも楽しめる当地域の魅力を紹介した移住促進パンフレット――半都半邑の楽しさ――を作成したところであります。本パンフレットは、首都圏における移住相談窓口である市東京事務所や県の窓口である青森暮らしサポートセンター等で情報発信のツールの一つとして活用をいたしております。
また、本年1月には、一般社団法人移住・交流推進機構及び総務省が主催し東京都で開催されました、JOIN移住・交流&地域おこしフェアに八戸圏域定住自立圏として出展し、直接移住希望者の相談に対応するなど、圏域8市町村が連携して移住促進に向けた取り組みを行っております。
続きまして、今後の移住促進に向けた取り組みの方向性についてお答え申し上げます。
まず、当市の取り組みでありますが、今年度から新たに、ほんのり温ったか八戸移住計画支援事業として、UIJターン就職を希望する若者や子育て世代を対象に、就職活動や住宅確保に要する交通費等の経費、移住のための引っ越し費用、住宅費、学用品等購入費の一部を助成するほか、UIJターン就職希望者を雇用した事業所へ移住支援企業助成金を交付いたします。既に広報はちのへ、市ホームページ、八戸商工会議所発行の商工ニュースなどで周知を図っておりますが、今後は、首都圏で開催されます各高等学校同窓会や各種移住セミナーにおきましても積極的にPRを図ってまいります。
さらに、移住関連の情報発信及び相談体制の充実、強化に向けた取り組みとしては、昨年度に引き続き県と共同で移住セミナーを開催しますほか、北東北3県が合同で開催する、青森・秋田・岩手の暮らし発見フェアへの出展も予定いたしております。
次に、八戸圏域としての取り組みについてでありますが、多数の来場者が見込まれる、JOIN移住・交流&地域おこしフェアへ今年度も出展し、圏域の魅力発信と来場者の移住相談へ対応してまいります。
また、今年度より県が実施する、移住者受入促進民活モデル構築事業へ参画し、移住者の受け入れ体制などについて検討してまいります。さらに、移住者同士の交流の場やネットワーク化のあり方等について検討する、移住者サポート体制整備促進事業へも参画してまいります。
今後とも、八戸圏域定住自立圏の構成町村や県とも連携を密にし、移住促進に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
以上でございます。
◎まちづくり文化スポーツ観光部長(風張知子 君)私からは、ふるさと意識の醸成に関する観光分野での取り組みについてお答え申し上げます。
ふるさと意識とは、ふるさとを知り、誇りを持つということかと思いますが、観光施策の中でも、市民一人一人が自分の住むまちに関心を持ち、その魅力を知り、誇りに思うことが重要であると認識しております。そのため、当市では、観光客のみならず、まずは市民に知っていただくために、平成18年度より市全体を屋根のない博物館に見立てまして、市内に数多く存在する観光資源を渚、食彩、田園、祭りなど8つのミュージアムに分類し、八戸の観光資源をわかりやすく紹介したフィールドミュージアム八戸構想を柱として観光施策を展開してまいりました。
これを踏まえ、八戸ポータルミュージアム・はっちでは、八戸の観光資源や魅力を丸ごと凝縮した展示や地域の資源を素材にしたプロジェクトを実施しており、観光客だけでなく、市民が地元の魅力を再認識する施設として好評を得ております。
はっちを訪れた市民の方々からは、自分のまちがこんなにすばらしいまちだということをもっと早く知っておきたかったとの声も多く寄せられております。
また、平成26年度に実施いたしました、八戸観光プロモーション基礎調査の結果では、八戸市内の観光資源に関する情報源として、家族、友人、知人から聞いてが36.4%であり、口コミでの影響力が最も多いとされており、そのため、本年4月には新たな観光情報サイト、八戸観光Naviを開設いたしまして、当市の主要な観光資源を八戸8プラス2、つまり八戸10の物語としてわかりやすく紹介するなど、市民がその魅力を再認識し、情報発信に活用できるよう内容の充実を図っております。
さらに、街なか案内人育成事業や種差海岸ガイド育成事業などの市民ガイド育成事業を通じて、参加する方々に地元の魅力をより深く知っていただくとともに、本年4月からは、観光事業者や関係者にも当市の観光資源を再認識していただくため、観光ネットワーク構築事業におきまして、各種体験会や研修会を実施しております。
なお、八戸観光コンベンション協会では、八戸ふるさと検定を平成21年度から実施しており、これまで上、中、初級を合わせて延べ1190人の合格者が出ておりますが、新たな取り組みとして、若者に向けて、去る6月10日に八戸学院大学及び同短期大学と共同で、検定取得のためのオープンキャンパスを開催したと伺っております。
当市といたしましては、若い方々を含む多くの市民が、これらの取り組みへの参画を契機に、郷土の歴史や食文化、観光資源等に改めて目を向けることで、ふるさとを誇りに思う意識が醸成され、市民一人一人がおもてなしの心で接する受け入れ体制づくりと観光客への自発的な情報発信につながることを期待しつつ、当市の知名度向上や誘客促進のため、各施策に取り組んでまいります。
以上でございます。
◎教育長(伊藤博章 君)私からは、教育分野での取り組み2点についてお答え申し上げます。
最初に、広域的体験学習支援事業の取り組み状況についてお答え申し上げます。
本事業は、発見!ふるさと体験隊、略称をはっふる隊と命名し、八戸定住自立圏域内の小学校に在籍する児童を対象に実施している事業であります。本事業は、子どもたちの郷土愛を育むことを目的として、公共施設等の地域教材を活用した各小学校の体験学習に対し、経費として見込まれるバスの借り上げ料及び施設入館料を全額助成する事業であります。昨年度は、博物館、是川縄文館を初め、リサイクルプラザや南郷プール、長根スケートリンク等のほか、南部町のチェリウスや新郷村の間木ノ平グリーンパークなど、圏域内のさまざまな施設が活用されております。
議員御案内のとおり、本事業は昨年度から実施しているものであり、市内はもとより、三戸郡、おいらせ町の各小学校からも好評を博している事業であります。
次に、成果と今後の見通しについてお答え申し上げます。
昨年度は、八戸市、三戸郡、おいらせ町の80%の小学校が実施し、約4800人の児童が体験学習に参加しております。活用した各小学校からは、バス料金の改定により社会科見学の縮小を考えていたが、本事業によって維持することができた、小規模校でも経費等に左右されないで実施することできた、保護者の負担軽減にもつながったなどの声が多く寄せられております。また、身近な地域の遺跡や文化財を知り、先人の苦労や努力について考えることができた、地域の特性を生かしたスポーツに取り組むことができたなど、児童のふるさとへの関心や愛着を育むことにもつながる成果も報告されております。今年度は、昨年度末に圏域内の小学校にさらに周知を図ったことにより、約90%の小学校が実施を計画し、5月から活動を開始しております。また、新しい施設の活用や複数の体験学習を組み入れるなど、新たな工夫がなされております。
市教育委員会では、本事業を通じて児童のふるさとへの愛着と誇りを育み、ふるさと意識の醸成につながるよう、各公共施設におけるプログラムの充実を促すとともに、三戸郡やおいらせ町の公共施設の一層の活用を推進してまいります。
以上であります。
【再質問】
◆1番(久保百恵 君)市長並びに関係理事者の皆様、詳細にわたりましての御答弁、大変ありがとうございました。
私から1点再質問させていただきたいと思います。広域的体験学習支援事業について、こちらの支援事業の財源は定住自立圏振興基金と聞いておりますが、昨年度1年間のバス代及び入館料としてどの程度の助成をされているのか、お聞かせいただければと思います。
◎教育長(伊藤博章 君)再質問にお答え申し上げます。
昨年度1年間に助成しましたバス代は約638万円、入館料は約5万7000円でありました。今年度は利用する学校が昨年度に比べてふえておりますので、昨年度を若干超える支出が見込まれております。
以上であります。
【意見要望】
◆1番(久保百恵 君)御答弁ありがとうございます。こちらの事業は、八戸市の将来を担う子どもたちのふるさと意識を育む上で大変意義のある事業だと私も思っております。引き続き財政的な支援をお願い申し上げます。
では、ここからは各発言事項の項目につきましての私からの意見、要望として発言をさせていただきたいと思います。
最初に、八戸ワイン産業創出プロジェクトについてですが、平成26年度に八戸市が主催された八戸ワイン産業創出フォーラムの中で出演されておりました2013年世界最優秀ソムリエのパオロ・バッソ氏のお話によりますと、私のふるさとと八戸市は共通点があり、それは、私のふるさとも昔は葉たばこを生産していて、今はワインを生産しており、現在私のふるさとは、ワインの生産が盛んになると、多くの若者が戻ってきたとおっしゃっていたということをお聞きいたしました。
八戸ワイン産業創出プロジェクトは、八戸ワインを創出することにより、産業の振興だけではなく、若い世代の定住促進にもつながるとても大きな夢のあるプロジェクトだと思っております。
地域おこし協力隊につきましては、今現在1名の方が協力隊員として八戸ワイン産業創出プロジェクトや南郷地区の活性化のために首都圏から八戸にUターン移住をされ、活動協力をされていらっしゃるとのことですが、隊員としての任期を終えられた後もそのまま八戸に定住していただけたらという私個人の思いとともに、地域おこし協力隊として活動したいと考えておられる方々の中で、ぜひこの八戸で活動協力がしたいと思ってくださる方がふえたらと願っております。
地域貢献への意欲ある若い力が結集することにより、さらなる八戸の元気、活性化につながるのではないかと期待を込めつつ、八戸ワイン産業創出プロジェクトにつきましては、引き続き小林市長の大きな推進力のもとにプロジェクトを進めていただきたいと改めてお願いを申し上げます。
また、八戸には、平成23年に水産業界の有志の皆様によって結成された八戸ハマリレーションプロジェクトが主催する、八戸の魚介のおいしさを再発見してもらうことを目的とした八戸ブイヤベースフェスタがあり、毎年市内外から多くのお客様が訪れ、八戸のまちなかをにぎやかにしてくださっておりますが、このブイヤベースとワインの組み合わせによるマリアージュによって相乗効果が生まれるのではないかと感じております。八戸ブイヤベースを通して八戸の魚介のおいしさを熱く発信なさっている民間の方々と行政とがタイアップをすることで、さらに盛り上げていかれてはいかがでしょうか。
また、ブイヤベースはフランスのマルセイユが発祥の地だと伺っておりますが、フランスはワインの産地でもあり、ブイヤベースとワインのマリアージュに関連するフランスの都市との交流により、国外にも八戸の魅力を発信できるのではないかと思います。このプロジェクトに期待を込めまして御提案とさせていただきます。
続いて、移住促進についてですが、八戸圏域への移住促進パンフレット――半都半邑の楽しさ――では、便利さや暮らしやすさなどの圏域の魅力が紹介されており、とてもわかりやすくていいパンフレットだと感じております。
移住者を迎え入れるためには、首都圏に向けて発信するのはもちろん重要なことではありますが、当市でも移住促進を行っているということをまずは地域住民の皆様に知ってもらうことも大事だと思いますので、このようなパンフレットがより多くの市民、圏域住民の皆様の目にもとまりますことを願っております。
現在、さまざまな市町村で移住促進への取り組みが行われており、私もインターネット等で拝見したのですが、まちぐるみで真剣に取り組んでいる姿勢が伝わる自治体に共通して感じたのは、ホームページ等のトップ画面に情報が掲載されていたり、専用サイトなどの移住にかかわるプロモーションがとても充実しているように思いました。例えば、新聞記事で紹介されておりましたが、七戸町では、町職員が東京上野のアメ横へ行き、行き交う人たちに移住に関する考えを探るアンケートをとり、また、アメ横の大型ビジョンに町のPR動画を流すなどの積極的な取り組みを行っていたり、そしてまた、ホームページのトップ画面に移住支援動画プロモーション映像を張りつけているなど、そのような姿勢から移住者を迎え入れたいという町の熱意を個人的に感じました。
先日、八戸市のホームページを開き、移住に関する情報を調べようと検索していたのですが、少したどり着くまでが難しいように感じました。先ほど御答弁いただきまして、当市におきましても今後さらに移住促進に対してさまざまな取り組みの展開がなされてきておりますが、市ホームページ内等でも積極的な周知活動や情報発信などを通じて、当市の移住促進にかかわる取り組みやプロモーションがより一層充実していくことに御期待を申し上げます。
また、当市への転入者にお渡ししている八戸ウェルカムチケットですが、チケットの利用率は多くないと聞いております。昨年度では約7000人の方が当市へ転入なさっていると伺っておりますが、その中には単身者の方も多くいらっしゃるかと思います。現在、チケットは転入者お一人につき1枚で、1名しか利用ができないことになっており、御家族で転入いただいた皆様の場合には御家族の皆さんでそろってお出かけいただけると思いますが、単身で転入されてこられた方々へも配慮した御提案といたしまして、例えば同伴者の方1名までを無料にしたり、あるいは割引にするなど、チケットの利用特典を広げてみるなどはいかがでしょうか。市内公共施設12カ所を1回無料で利用体験ができるチケットですので、転入者の皆様にはいち早く当市を知っていただくためにも、ぜひ多くの方々に御活用いただけたらと私も心より願っております。
また、移住促進に取り組む自治体の中では、実際に地方への移住を考えている方を対象にしたお試し居住などの取り組みもされております。今後そういった取り組みを検討していかれる場合などにも、当市へのお試し居住に来てくださった方々へのお試し的なウェルカムチケットをお配りするなど、可能な範囲で御検討いただけましたらと重ねてお願いを申し上げます。
最後に、ふるさと意識の醸成についてです。
私は、大好きな八戸をもっともっと明るく元気にしたいという思いのもと、市民の皆様、特に子どもたちを含めた若い世代一人一人が八戸を思う心を育て、ふるさとを意識する気持ちを大切にしていただきたいと思っております。誰にでも生まれ育ったふるさとがあります。ですが、そのふるさとが東京への一極集中によって日に日に疲弊してきているのも現状にあり、私たちの住んでいる大切なふるさと八戸市も例外ではないかと思います。
あらゆる手段で伝統文化あふれる八戸の魅力を、国内だけではなく、海外にもどんどんPRし、人が集まる楽しいまちを夢見て、八戸市が日本一住んでみたい地域となることを願っております。そのためには、まず、このふるさとに住んでいる私たち自身が、魅力だけではなく、課題も含めた現状の八戸を知ってもらうことが必要だと思います。高齢者の皆さんも若者も、そして子どもたちも、現実の姿を知ることで一人一人がふるさとの将来を考え、誇りを持ってこのまちに住んでいくことができると思います。そして、そのことが元気で魅力あふれるまちへとつながると思います。そのためにも、八戸の今後を担う子どもたちには特に、さまざまな学習の場が必要だと感じております。
先ほど再質問させていただきました広域的体験学習支援事業につきましては、子どもたちが実際に体験することにより、自分たちが住んでいる地域の魅力を体感することができ、そのことによって地域に関心を抱く大きなきっかけにもなると思います。楽しみながら学んだことはその後も記憶に残ると思いますし、この事業を通じてふるさとを大切に誇りに思う子どもたちに育ってほしいと私も願っております。
行政といたしましても、財政面を含めてぜひ今後もさらなるバックアップ体制の充実を図っていただきますよう心よりお願い申し上げます。
そして、八戸の観光面につきましても、子どもたちに学んでもらえるさまざまな機会があればいいと思います。地方創生や国が観光行政を強化していくというような動きがある中で、子どもたちも含めた市民一人一人が八戸の観光大使として、八戸の魅力を外へ向けて伝えることができたら、八戸の大きな強みになると思います。
先ほど御答弁の中でも紹介がありましたが、先日八戸学院大学で行われた八戸ふるさと検定取得に向けた授業のオープンキャンパス、私もお邪魔してまいりました。学生さんと地元スポーツチームの選手の方々を初め、市民の皆様が一緒になり八戸について学ぼうという機会をつくり取り組まれていることがとてもすてきだと感じました。
当市の観光分野におきましても、市民の皆様が八戸を知ることができるさまざまな事業や取り組みがなされておりますが、その輪が広がり、多くの方々が八戸を知るということへのきっかけにめぐり合っていただけるための仕掛けづくりを、行政として今後もますます後押しされていかれることをお願い申し上げまして、私からの要望とさせていただきます。
最後に、今定例会での一般質問の場に立たせていただき、深く感謝申し上げます。議員として2年目に入りましたが、今後も議員活動に邁進してまいりますことをお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。