2020/04/20
令和2年度予算特別委員会質問☆八戸ワイン産業創出プロジェクトについて
◆久保〔百〕 委員 私からは6款1項、95ページに関連しております八戸ワイン産業創出プロジェクトについてお伺いいたします。
平成26年度から取り組みが始まった八戸ワイン産業創出プロジェクトですが、この夢のあるプロジェクトに、私も事業開始当初から注目させていただき、これまでも何度か質問をしてまいりました。私自身個人的に興味関心のあったこともあり、南郷地区の高長根律子さんの圃場にお邪魔しまして、八戸ワインフェスティバル実行委員会のメンバーの皆さんと、ワイン用ブドウの植えつけや収穫体験をさせていただいたり、また、市主催のセミナーに参加したり、そして平成29年の夏には、近年、ワイン用ブドウの産地として全国的に注目を集めている長野県高山村を視察してまいりました。その中で、ワインづくりはワイン用ブドウづくりからというお話を伺い、そのお話がとても印象的でした。
そこで質問なのですが、当市のワイン用ブドウの生産振興策についてお伺いいたします。
◎石丸 農業経営振興センター所長 久保百恵委員にお答えを申し上げます。
委員御指摘のとおり、ワイン用ブドウは安定した生産量と品質の確保が肝要でございまして、生産者の技術力の向上を図るため、平成27年度から、栽培管理及び病害虫防除等に関する講習会をワイン用ブドウの生育に合わせて、年4回程度開催してございます。
また、ワイン用ブドウの生産量の確保を目的に、南郷地区の農業経営者が苗木を購入するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイン産業創出支援事業を平成28年度に創設してございまして、これまでに3万7562本の苗木が南郷地区内に植えつけられてございます。
加えまして、平成30年度から、ワイン用ブドウの品質向上のための雨よけビニール等を購入するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイン用ぶどう雨よけ施設等整備支援事業を創設してございます。
さらに、希望する生産者に対しまして、ワイン用ブドウ園地の土壌分析を市農業経営振興センターにおいて実施してございまして、ワイン用ブドウ園地の適正な土壌環境の維持を促してございます。
以上でございます。
◆久保〔百〕 委員 ありがとうございます。
ワイン用ブドウは安定した生産量と品質の確保が肝要ということですので、ぜひこれからも生産者の皆様に寄り添った支援を継続して行っていただきますようお願いいたします。
昨年秋のブドウの収穫量につきましては、平成30年産比2倍の約9.5トンと伺いましたが、市内では現在2社のワイナリーが八戸ワインを製造されております。この2社のワイナリーの整備状況と、八戸ワインの製造状況についてお伺いいたします。
◎石丸 農業経営振興センター所長 久保百恵委員の御質問にお答えを申し上げます。
市では、澤内醸造様とはちのへワイナリー様の2社を、平成28年12月に八戸ワイン生産事業者に認定してございます。澤内醸造様につきましては、平成29年度にワイナリーを整備するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイナリー創出支援事業を活用し、市内柏崎地区にワイナリーを整備してございまして、平成29年度から八戸ワインを製造してございます。
御存じのことと存じますけれども、参考までに、八戸ワインの定義でございますけれども、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に基づく果実酒等の製法品質表示基準が平成30年10月に施行されてございまして、八戸市内で収穫されたブドウを85%以上使用し、八戸市内で製造されたワインだけが八戸ワインと表示することができるものでございます。その製造量は澤内醸造様の分ですけれども、平成29年度に白とロゼのスパークリングワインを955本、平成30年度に同じく白とロゼのスパークリングワインを1300本、今年度はこれまでに白とロゼのスパークリングワイン1400本、白とロゼのワイン600本、合計4255本を販売してございます。
また、はちのへワイナリー様につきましても、八戸市ワイナリー創出支援事業を活用し、南郷地区の中野農工団地に、昨年4月にワイナリーを整備してございまして、昨年11月にファーストビンテージとなる赤ワインを660本、ことし2月に赤ワイン800本、合計1460本を販売してございます。
以上でございます。
◆久保〔百〕 委員 ありがとうございます。
澤内醸造さんとはちのへワイナリーさん、2社のワイナリーにより多種多様なワインが製造されており、販売本数も年々ふえているということからも、勢いのあるプロジェクトだと感じております。
実際に八戸ワインをまだ飲んでみたことのない市民の方もいらっしゃるかもしれません。ぜひ多くの方々に味わっていただき、親しんでいただき、八戸ワイン文化が広まり、そしてワイン産業が確立していくことを期待しております。
八戸には、農業があり、そして水産業があり、さらには魅力的な食産業がございます。八戸ワインと八戸の食のペアリングによって、さらなるワイン産業の振興と食産業の振興を図ることができると理解しております。
そこでお聞きしたいのですが、市のペアリングに関する取り組みについてお伺いいたします。
◎石丸 農業経営振興センター所長 久保百恵委員にお答えを申し上げます。
八戸ワインと八戸の食の組み合わせ、いわゆるペアリングにつきましては、八戸の食産業の振興につながるものと認識してございまして、平成30年度からペアリングの検討を開始してございます。
平成30年度は、八戸ワインフォーラムという市主催イベントの中で、市内の和洋中のシェフが八戸ワインに合う料理を提案してございます。具体的に申し上げますと、八戸ワインで炊いた米を使用したサバの押しずし、地のものを使用した生ハム及び八戸港で水揚げされた魚介入りギョーザに八戸ワインを合わせ、出席された市民の皆様にテイスティングをしていただいてございます。
今年度は、八戸ワインカレッジという市主催イベントの中で、イタリアンとフレンチのシェフが八戸ワインに合う料理、具体的には八戸港で水揚げされたイワシのコンフィやサバのトマト煮等を提案し、こちらも市民の皆様にテイスティングしていただいてございます。
そのほか、市が共催し、毎年5月に八戸ポータルミュージアムで開催してございます八戸ワインフェスにおいても、市内の和と洋のシェフの皆様がさまざまな提案を行ってございます。
以上でございます。
◆久保〔百〕 委員 ありがとうございます。
八戸ワインフェスは、私も何度か足を運ばせていただき、昨年も会場に伺いました。ワイン好きの大人の方々、愛好家の方々はもちろんですが、フードブースも多く出店しているため、子ども連れの御家族も多く見られ、大変活気のある和やかでとてもいい雰囲気だという印象でした。これからも市民の皆さんが八戸ワインと食を楽しめるイベントがふえることを楽しみにしております。
最後に、もう1点だけ質問させていただきます。
八戸のワイン産業をよりよくしていくためには、事業の継続性が重要だと感じております。そこで、今後の事業の展開についてお伺いいたします。
◎石丸 農業経営振興センター所長 久保百恵委員の御質問にお答えを申し上げます。
平成26年度からワイン用ブドウの生産調査を開始してございまして、品種ごとの管理に関する対応策の検討と、生産上の課題も明らかになってございます。このことから、生産調査につきまして継続するとともに、生産者の技術力の向上を図るため、栽培管理及び病害虫防除等に関する講習会を、近隣のワインメーカー、県などと協力し、ワイン用ブドウの生育に合わせて年4回程度開催する予定でございます。また、希望する生産者に対しましては、ワイン用ブドウ園地の土壌分析を引き続き実施する予定でございます。
さらに、ワイン用ブドウの生産量の確保を目的に、苗木を購入するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイン産業創出支援事業及びワイン用ブドウの品質向上を目的に、雨よけビニール等を購入するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイン用ぶどう雨よけ施設等整備支援事業につきましても継続する予定でございます。
そして、市内のワイン需要の拡大のための八戸ワイン産業振興セミナーや、八戸の食とのペアリングを提案する八戸ワインカレッジ等の発信型イベントにつきましても開催する予定でございまして、引き続き、八戸ワインが地域資源として市民の皆様に愛され、さらには地域経済の活性化に資するものとなるよう努めることとしてございます。
以上でございます。
◆久保〔百〕 委員 ありがとうございます。
事業が進み、取り組みがさまざま広がってきたことで、課題等もいろいろあることかと思いますが、私も、今後も八戸ワイン産業創出プロジェクトにかかわる皆様のお気持ちに寄り添わせていただきながら、このプロジェクトの応援をしていきたいと思っております。引き続き、プロジェクトにかかわる皆様に対しましては、最大限の支援を継続していかれますよう御要望申し上げ、質問を終わります。